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東京地方裁判所 平成元年(特わ)175号 判決 1989年7月14日

本店所在地

東京都八王子市中野上町一丁目八番二二号

共立住販株式会社

(右代表者代表取締役 古園強)

本籍

東京都八王子市明神町二丁目二番

住居

同都同市西寺方町一〇〇一番地一七四

会社役員

古園強

昭和九年五月二〇日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官渡辺咲子出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人共立住販株式会社を罰金三八〇〇万円に、被告人古園強を懲役一年二月に処する。

被告人古園強に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人共立住販売株式会社(以下、被告会社という。)は、東京都八王子市中野上町一丁目八番二二号に本店を置き(昭和六三年四月二九日以前は、東京都八王子市平岡町一五番一三号)、不動産の売買及び仲介斡旋等を目的とする資本金一億円(昭和六一年八月一日までの資本金は一〇〇〇万円、平成元年一月一〇日までの資本金は三〇〇〇万円)の株式会社であり、被告人古園強(以下、被告人という。)は、被告会社の代表取締役として被告会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の仲介手数料、宣伝広告費、工事費等の売上原価を計上する等の方法により所得及び課税土地譲渡利益金額を秘匿した上、昭和六一年三月一日から昭和六二年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四億三八八一万六六九五円(別紙1修正損益計算書参照)で、課税土地譲渡利益金額が二億六四七五万一〇〇〇円(別紙2脱税額計算書参照)あったにもかかわらず、昭和六二年四月三〇日、東京都八王子市子安町四丁目四番九号所在の所轄八王子税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二億〇〇六九万二八一九円で、課税土地譲渡利益金額が四八八八万三〇〇〇円であり、これに対する法人税額が九四一二万八二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(平成元年押第四〇八号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額二億四一〇八万円と右申告税額との差額一億四六九五万一八〇〇円(別紙2脱税額計算書参照)を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  井上里美の検察官に対する供述調書

一  収税官吏作成の商品原価、支払利息、営業所経費、事業税認定損、土地重課税の調査書

一  検察事務官作成の捜査報告書

一  大蔵事務官作成の証明書

一  登記官作成の登記簿謄本

一  押収してある法人税確定申告書一袋(平成元年押第四〇八号の1)

なお、課税土地譲渡利益金額は、販売費・一般管理費の按分計算の結果異動が生じているが、検察官主張の範囲内の二億六四七五万一〇〇〇円と認定した。

(法令の適用)

罰条

被告会社 法人税法一六四条一項、一五九条一項、情状により一五九条二項

被告人 法人税法一五九条一項

刑種の選択 被告人につき懲役刑選択

刑の執行猶予 被告人につき刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(求刑 被告会社 罰金五〇〇〇万円 被告人 懲役一年六月)

(裁判官 柴田秀樹)

別紙1

修正損益計算書

<省略>

別紙2

脱税額計算書

<省略>

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